広告の「配信先」で効果が激変?興味があっても77.8%のユーザーがクリックをためらうデジタル広告の盲点
デジタル広告の運用において、生成AIの登場により広告配信の最適化が急速に進む一方、配信プラットフォームの自動設定に依存した場合に、意図しない不正サイトや不快なコンテンツに自社広告が表示されてしまうリスクが顕在化しています。
本記事では、一般ユーザーを対象に実施した最新の意識調査をもとに、広告の「掲載面の質」が消費者の行動やブランド認知にどのような影響を与えるのかを解説します。
調査概要
- 調 査 名:普段見ているウェブサイトや動画・SNSに関する意識調査
- 調査対象 :全国の一般インターネットユーザー
- 有効回答数:500サンプル(n=500)
- 調査時期 :2026年5月
- 調査方法 :インターネットアンケート調査
ユーザーが日常的に直面している「不快な広告体験」の実態
現在のデジタル広告環境において、どのような広告体験をしているのでしょうか。
調査では、週5日以上インターネットを利用するアクティブなユーザーが全体の9割以上を占めており、動画視聴やニュース閲覧、SNS利用が日常のインフラとして完全に定着していることが分かります。その一方で、ユーザーは不快な広告体験に日常的に直面しています。
- 違法性の高いコンテンツやアダルト・ヘイトなどの不適切コンテンツへの広告配信の目撃率:57.6%
- 画面を覆う、または操作を邪魔するような広告の目撃率:78.2%

多くのアドネットワークや自動配信システムにおいて、ユーザーの広告体験への配慮や、ブランドを守るための制御が著しく欠如している現状が浮き彫りになっています。
広告効果への直接的打撃:77.8%が「興味があってもクリックをためらう」
この掲載面の不適切さは、単にイメージの問題に留まらず、広告のパフォーマンスそのものを直接的に阻害する要因となっています。
調査において、「広告内容自体に興味があった場合でも、掲載先のコンテンツが不適切な場合、クリック(タップ)をためらうか」という設問に対し、実に77.8%のユーザーが「ためらう」と回答しました。

ユーザーは、不適切な掲載面を目にした際、セキュリティ上の懸念や、配信アルゴリズムに対する警戒感など、独自の防衛心理を働かせていることが推察されます。どれだけクリエイティブやターゲティングを最適化しても、「掲載面が不適切である」という一点において、多くのクリック機会を損失している可能性を示唆しています。
ブランド価値の毀損とロイヤル顧客の離脱リスク
さらに、クリックの損失という短期的な損失に留まらず、企業やブランドに対するユーザーの信頼そのものも大きく損なわれます。
掲載先が不適切な場合、全体の78.0%のユーザーが、企業・ブランドの印象が「悪くなる」と回答しています。
いまやインターネットユーザーの約75%は、デジタル広告におけるマネタイズ構造を認知しています。この仕組みの理解が浸透しているからこそ、不適切な掲載面を目にした際、ユーザーは「不適切コンテンツの運営者の活動を資金面で支援している」と解釈してしまいます。
その結果、好きな企業やブランドであっても、ユーザーの意識・行動は以下のように分かれ、企業へ深刻な打撃を与えます。
- 直接的な不買行動:「そのブランドの購入を積極的に控えたい」
- 倫理的信用の失墜:「購入は続けるかもしれないが、企業としての倫理観を疑う」

ブランドセーフティの欠如は、蓄積してきた顧客ロイヤルティを一瞬にして崩壊させる経営危機に直結していると言えます。
まとめ:広告主に求められる「ブランドセーフティ」の確立
本調査では、責任の所在として配信システムやコンテンツ製作者ではなく「企業(広告主)自身」を挙げたユーザーが最多となりました。
配信プラットフォームのアルゴリズムに依存し、効率のみを優先した広告運用を続けることは、結果として経営リスクを孕んでいます。経営レベルで広告配信の倫理基準を策定し、適切な広告運用ガバナンスを確立することが急務となっています。
調査レポートの完全版では、本記事で紹介しきれなかった、
- ユーザーが広告主へ向ける「拒絶心理」のデータ
- 不適切な広告配信がもたらす「ファン離脱」の実態
- ユーザーから求められるリスク管理基準
などを網羅的にまとめています。社内でのリスク共有や、対策の検討材料として、ぜひご活用ください。
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また現状のリスクの有無や具体的な対策方法について、個別のご相談や簡易的なリスク診断も承っております。ご希望の企業様は、下記よりお問い合わせください。
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