コラム

そのアプリに、今も広告を出して大丈夫? 2025年2月、約14.7万件がストアから利用不能に

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アプリ広告を運用していると、「クリックは増えたが、その後の成果につながらない」「CPAは許容範囲でも、インストール後の継続率や購入率が伸びない」「特定のアプリへの配信額だけが不自然に増えている」といった場面に直面することがあります。

こうしたとき、入札額、ターゲティング、クリエイティブを見直すことは重要です。しかし、改善の手掛かりはそれだけではありません。どのアプリに配信され、どのようなトラフィックや広告表示を通じて成果として計上されているかも、アプリ広告の成果を読み解くための重要な確認対象です。

本コラムでは、アプリ広告の効果を高めたい広告主に向けて、配信先データを見るべき理由と、配信先リスクを継続的に管理する方法を解説します。

成果改善の鍵となる「配信先の質」

アプリごとに、ユーザー層、広告フォーマット、広告の表示方法、利用文脈は異なります。同じクリエイティブを配信しても、どのアプリに表示されたかによって、クリック率、CVR、インストール後のLTVに差が出ることがあります。

配信先の質を見るときは、単に管理画面上の「成果が良い・悪い」で判断するのではなく、アプリの内容が自社のブランド方針に合うか、実際のユーザー行動を反映したデータとして評価できるか、広告表示がユーザー体験を損ねていないかを確認します。

成果が伸び悩んだときに、「アプリ広告が悪い」と判断するのは早計です。どのアプリで、どのような数値の偏りが起きているかを確認する必要があります。配信額や成果をアプリ別・媒体別に分解することで、改善すべき箇所が入札やクリエイティブではなく、配信先の選定にあることが見えてくる場合があります。

広告配信可能なアプリも、後から削除される

Pixalateの報告によると、2025年2月の1か月間だけで、Google Playで96,997件、Apple App Storeで49,741件のアプリが削除等によりストアからダウンロードできなくなりました。さらに重要なのは、削除されたアプリのうち、Google Playでは約2.6万件、Apple App Storeでは4,067件が、プログラマティック広告に対応していた(app-ads.txtを宣言していた)という点です。[1]

ストアから削除される理由には、開発者の事業撤退や更新停止などの自然な運用終了も含まれます。しかし、一度審査を通過した後に挙動が変更され、事後調査によって問題が発覚・削除されるケースも存在します。

①審査後にも挙動が変わり得る仕組み[2]
②更新を契機に悪質化した事例[3]
③調査によって不正広告が発覚した事例[4]

このように、直前まで広告枠として機能していたアプリですら後に削除されてしまうケースが確認されている以上、一度設定した除外基準だけではリスクに対応しきれません。配信額が急増したアプリや、ブランド方針に合わないアプリがないか、定期的に確認する仕組みを持つことが不可欠です。

成果データだけでは見えない、不正広告とユーザー体験のリスク

配信レポート上でインプレッションやクリックが増えていても、それだけで広告が適切に表示され、ユーザーに届いたとは言い切れません。

広告を含むAndroidアプリを対象とした2014年の研究「MAdFraud」では、分析対象の約30%がバックグラウンドで(ユーザーの目に見えないところで)広告リクエストを送信し、中にはユーザーの操作を伴わない不正なクリックを発生させるアプリも存在したことが確認されています。[5]

こうしたデータは広告主側からは検知しにくい不正広告が実際に発生していることを示しています。特定のアプリでクリック率だけが異常に高い場合や、インストール後の行動が極端に低い場合は、見かけ上の数字が作られている可能性を疑う必要があります。

また、広告接触後のユーザー体験も配信品質を左右する重要な要素です。GeoEdgeの2025年第2四半期レポートでは、Webやアプリにおける不正広告のうち、意図しないページへ強制的に遷移させる自動リダイレクト型の攻撃が66%を占めたと報告されています。[6] 

意図しない遷移や誤認を招く広告表示は、広告主の直接的な成果を奪うだけでなく、「不快な広告を出している企業」として、ブランドへの信頼を大きく損なう恐れがあります。

成果とブランドを守るための配信先管理

アプリ広告の配信品質に不安を感じた場合、まずは自社の配信レポートを確認してみてください。

具体的には、配信額が突出しているアプリ、成果が急変したアプリ、クリック率やCVRとインストール後の継続率に大きな乖離があるアプリを抽出します。単一の指標だけで判断せず、複数の成果指標を並べて見ることがポイントです。

次に、該当するアプリが自社のブランド方針や利用文脈に適合しているかを確認し、許容できない配信先であれば手動で除外します。明確な問題が見つからない場合は、計測設定、クリエイティブ、入札など、ほかの要因もあわせて検討します。

この地道な確認を継続することで、配信先を精査し、無駄な広告費を削減する土台を作ることができます。

HYTRA DASHBOARDを活用した継続的な除外管理

一方で、配信先アプリを都度確認し、リスクのあるアプリのリストを手作業で更新し続けるには、膨大な工数がかかります。悪質なアプリは次々と新しい形で現れるため、社内のリソースだけで対策を続けるのは現実的ではありません。

そこで有効なのが、リスクのあるアプリをあらかじめ除外するブロックリストを、配信先管理の仕組みに組み込むことです。

MomentumのHYTRA DASHBOARD(https://www.m0mentum.co.jp/service/hytra-dashboard)は、広告リスク対策のための管理ダッシュボードです。アプリ内広告向けには、非推奨アプリリスト「App Unsafe List」を提供しています。

App Unsafe Listを各広告プラットフォームの除外リストとして活用することで、不適切なアプリをあらかじめ配信対象から除外できます。「App Unsafe List」は独自の日本語解析技術と目視確認を組み合わせることで高い品質を維持しており、定常的な更新によって常に最新の状態でリスク対策を行うことが可能です。

アプリ広告の成果を高めるには、入札・クリエイティブの改善に加え、配信先の質を継続的に管理することが重要です。現在の配信先を見直したい方、App Unsafe Listの活用方法を確認したい方は、HYTRA DASHBOARDの詳細をご覧ください。具体的なご相談は、お問い合わせから承ります。

まとめ

クリック数やCPAといった表面的なデータだけでは把握しきれないリスクが潜んでいます。広告配信可能なアプリが後から大量に削除されている事実や、画面上では見えにくく、ブランドを毀損する不正広告の存在を前提に、配信先を継続的に疑い、管理することが重要です。

アプリ別・媒体別の成果を分解し、不適切な配信先を除外し続けることで、予算を「真に成果へつながる配信」に投資していくことができます。

参考文献

※1:Verizon. "2026 DBIR Executive Summary."
https://www.verizon.com/business/resources/executivebriefs/2026-dbir-executive-summary.pdf

※2:Verizon. "2025 Data Breach Investigations Report."
https://www.verizon.com/about/news/2025-data-breach-investigations-report

※3:OpenAI. "What to know about a recent Mixpanel security incident."
https://openai.com/index/mixpanel-incident/

※4:Cloudflare. "The impact of the Salesloft Drift breach on Cloudflare and our customers."
https://blog.cloudflare.com/response-to-salesloft-drift-incident/

※5:OpenAI. "OpenAI and Hugging Face partner to address security incident during model evaluation."
https://openai.com/index/hugging-face-model-evaluation-security-incident/

※6:NIST. "zero day attack."
https://csrc.nist.gov/glossary/term/zero_day_attack

由井 銀河

由井 銀河

大学卒業後、新卒採用支援会社でのSMB向けセールスを経てコクヨグループの企業に入社。 エンタープライズ向けのBPO事業でセールスに従事するかたわら、新領域プロジェクトリーダーやマーケティング業務を兼務。 Momentum株式会社ではセールスを経験後、現在はマーケティングを担当。 新プロダクトのプロモーション〜マーケティングまでを務める。