SNS広告とは?

SNSとは「Social Networking Service」の略で、インターネット上でコミュニケーションができるサービスのことです。主なSNSにFacebook、Instagram、LINE、Twitter、TikTokがあり、これらに出稿する広告のことをSNS広告(ソーシャル広告)と呼びます。ユーザーの興味関心や行動に最適化した配信もできるため、マーケティング施策として注目されています。そこで今回はSNS広告の市場規模や仕組みと特徴をご紹介します。
SNS広告の市場規模
Glossom株式会社によると、年々スマートフォンに使う時間が増えており、中でもSNSでの利用時間が最も多いことが分かりました。
出典:Glossom株式会社|スマートフォンでの情報収集に関する定点調査2021
次に、電通グループが2022年3月に発表した「2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を見ていきましょう。
ソーシャルメディア関連の広告費は、7,640億円(前年比134.3%)と大きく成長しています。インターネット広告媒体費全体において、SNS広告が35.4%と大きな割合を占めているのがポイントです。また、7,640億円のうち、ブログや動画共有サイトなどを除いたSNS系での消費は3,168億円でした。2020年の2,488億円と比較すると、27.3%成長していることが確認できました。
出典:電通グループ|2021年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析
SNS広告の仕組みと特徴
SNS広告は基本的に、プログラマティック広告のロジックで配信されます。プログラマティック広告では、広告が掲載されるサイトを選べないという特徴があります。各SNSプラットフォームにより特徴が大きく異なるため、訴求したい層や方法を適切に選択する必要がありますが、自社アカウントの認知度向上をはかったり、自社サイトに遷移させて購買につなげたりすることも可能です。各SNSの特徴については、種類別に後述するので参考にしてください。
プログラマティック広告とは?こちらの記事をチェック!
プログラマティック広告とは?仕組みからメリットや課題も含めて解説
SNS広告のメリット
SNS広告を出稿した際に、どのような効果が期待できるのでしょうか?
ここでは、SNS広告の4つのメリットをご紹介します。
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では、それぞれについて見ていきましょう。
≫≫ Facebook広告に多い詐欺の実態とは?手口や対策について解説
若いターゲットユーザーに配信できる
自社商材のターゲットユーザーが若い世代であれば、SNS広告のメリットを最大化できるでしょう。そもそも、SNS広告は各SNS上に蓄積されているデータ(アカウント開設時に登録した情報など)に基づいて広告配信を行います。そのため、訴求内容に興味がありそうなユーザーに向けた広告配信が可能になるわけです。各SNSユーザーの年代層については後述しますが、SNS広告は若い世代に効率よくアプローチできる手法といえます。
拡散される可能性が高い
訴求内容に親和性の高いユーザーに配信し続けた結果、SNSならではの「拡散」につながり、いわゆる「バズる」状態になることもありえます。実際に幅広くシェア・拡散される広告制作には、もちろんノウハウが必要です。
自社のSNS広告が反響を呼べば、集客やCV(コンバージョン)につながる可能性が高い点はメリットといえるでしょう。
潜在層を掘り起こしやすい
SNS広告は、今まで気づいていなかった商品や悩みを掘り起こせる点が大きなメリットです。最近では、隙間時間にSNSのタイムラインを眺める人が増えています。SNSにおけるタイムラインとは、フォローしているアカウントの投稿が時系列で、あるいはおすすめ順などで一覧表示される画面のことです。
退屈しのぎにタイムラインを眺めている層へSNS広告を流すことで、今まで自社の商材を知らなかった潜在層を掘り起こせます。これに対して、Googleのリスティング広告では、商品や悩みごとを実際に検索したユーザー向けにしかアプローチできません。潜在層へのアプローチが可能という点で、SNS広告はより大きな可能性を秘めているといえます。
安価にスタートでき高い費用対効果も期待できる
チラシ・雑誌・TV広告と比べるとより安価に出稿できるほか、高い費用対効果を期待できる点がSNS広告のメリットです。SNS広告には、出稿時間を細かく設定したり広告内容を変更したりしやすいという特徴があります。実際にABテストなどの分析手法も簡単に試せるため、スピーディな改善が可能です。
SNS広告のデメリット

ここでは、SNS広告のデメリットを3つご紹介します。
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では、それぞれについて見ていきましょう。
魅力的なクリエイティブを作成する必要がある
魅力的なクリエイティブでなければ、タイムラインを眺めている人からスルーされる点がSNS広告のデメリットです。自社のSNS広告に気づいてもらうためには、ユーザーが興味関心を持ちやすい広告である必要があります。「視覚的に分かりやすい」「ユーザーファーストな投稿であること」「世界観を演出している」広告の制作が必要となるでしょう。
60代以上のユーザーにはリーチしづらい
SNSの利用者は年々増えているものの、60代以上のユーザーにはリーチしづらい点がSNS広告のデメリットです。総務省が2022年8月に発表した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する報告書」によると、60代以降のSNS利用率は全世代の平均を大きく下回ります。ただしLINEだけは、全世代を通じて高い利用率です。高齢層をターゲットとする商材やサービスなら、LINEを出稿先として選ぶと良いでしょう。
炎上のリスクがある
SNS広告には出稿に伴うリスクがあります。SNSでは「拡散」「バズる」といった反響が狙える反面、「炎上」のリスクがある点がデメリットです。また自社としては悪いと認識していない内容を投稿したとしても、不快感を与える場合があります。実際に、ドン・キホーテの公式Instagramが、ユーザーに対して犯罪行為を絡めた投稿をしたケースがあります。その結果、ユーザーからは不謹慎であるという声が上がり、大きく企業ブランドイメージを毀損しました。
出典:バズプラスニュース|【衝撃】ドンキホーテが大炎上 / インスタグラムに不謹慎な投稿「ドンキで何盗んだことある?」
SNSの利用人数が多いために、投稿内容を良くないと思うユーザーが一定数いることを理解した上で活用しましょう。
SNS広告は6種類!配信先と広告費用は?

SNS広告と一口にいっても、次のとおりプラットフォーム毎に分かれています。
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SNS広告はインフィード広告のように自然露出が可能であるため、他の広告とは違った見せ方が可能です。掲載面、配信先、課金方式や費用はSNS毎に異なります。それぞれの特徴を確認して自社の商材にとって適切なSNSを選ぶようにしましょう。
出典:株式会社コムニコ|【2022年2月版】人気ソーシャルメディアのユーザー数まとめ
次にSNS広告の種類について詳しく見ていきましょう。
LINE広告
LINE広告は、ユーザーの多さと偏りのなさから圧倒的なリーチ力を誇り、新規獲得率が高いという特徴があります。
LINE広告の配信先
LINE広告では、LINEユーザーが日頃から利用するサービスに広告を配信できます。LINE広告の配信先は多岐にわたり、次のとおりです。
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LINE広告の費用(課金方式)
LINE広告の費用は、大きく「クリック課金」「友だち追加」「インプレッション課金」の3つの方法で決定されます。自動入札および手動入札の費用の目安は、次のとおりです。
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LINE広告の効果検証に役立つ指標
LINE公式アカウントの友だちを獲得するために「友だち追加広告」を配信できることから、友だちの「増加数」は効果検証に役立つ指標となります。中でもより有効な友だちとして役立つ指標が「ターゲットリーチ」です。ターゲットリーチとは、友だち追加数からブロックされた数と属性不明数を差し引いて導き出される友だち数となります。ほかにも、次のような効果測定の指標があります。
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Twitter広告
Twitterの特徴といえば、その「リアルタイム性」と「拡散力」です。基本仕様が140文字以内の短文投稿という手軽さとリアルタイム情報を入手できるため、10〜40代のユーザー層によく利用されています。
Twitter広告の配信先
Twitter広告では、配信先はプレースメントと呼ばれており、次のとおりです。
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なお「Twitterオーディエンスプラットフォーム」を選択すると、Twitter以外のさまざまなアプリに配信されます。Twitterのみに広告を掲載したい場合には、選択しないよう注意してください。
Twitter広告の費用(課金方式)
Twitter広告における課金方式ごとの費用相場は、次のとおりです。
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Twitter広告の効果検証に役立つ指標
Twitterにはフォロワー獲得広告があることから、広告による認知の指標は「フォロワー数」の増加といえるでしょう。ほかにも、次のような効果測定の指標があります。
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Instagram広告
Instagramのメインユーザー層は10〜30代です。雑誌感覚で利用できることから、近年では購買手段としてInstagramを利用する若者が増えています。ビジュアルイメージ重視の商材と親和性が高いでしょう。ただしInstagramには、拡散機能が搭載されていません。代わりにハッシュタグと呼ばれる検索機能を駆使して、閲覧数を伸ばしていくことになります。
Instagram広告の配信先
Instagram広告では、大きく次の4つの場所に広告を配信可能です。
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それぞれの配信先によって、ユーザーの傾向や利用可能なフォーマットが異なります。配信先ごとの傾向に合った広告クリエイティブを用意しましょう。
Instagram広告の費用(課金方式)
広告1,000回表示ごとに発生するCPM(Cost Per Mille)の費用相場は、0.2~0.6円/インプレッションです。CPC(Cost Per Click)は40~100円/クリック、CPI(Cost Per Install)は100~200円/インストールとなります。動画広告の最適化に役立つ「ThruPlay」を利用した場合、1つの動画で15秒以上再生されると100~200円かかる費用相場です。
Instagram広告の効果検証に役立つ指標
Instagram広告経由では、認知を測る指標として「インプレッション数」や「リーチ数」を使います。Instagramでは、フォロワーを集める広告配信方法は用意されていません。ほかにも次のような効果測定の指標があります。
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Facebook広告
Facebook広告の特徴といえば、実名登録ならではの精度の高いターゲティングです。国内の利用者数は2022年11月時点で2,600万人と最大規模のSNSであることから、数多くのユーザーにリーチする可能性が広がります。
Facebook広告の配信先
- Facebook広告の配信先は、次のとおりです。
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Facebook広告の費用(課金方式)
Facebook広告の課金方式は、「クリック課金」と「インプレッション課金」です。クリック課金の費用相場は100〜200円/クリック、インプレッション課金は100円/1,000インプレッションとなります。
Facebook広告の効果検証に役立つ指標
- Facebook広告で効果検証に役立つ指標は、次のとおりです。
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TikTok広告
TikTokのメインユーザーは10〜20代の若年層です。ただし平均年齢は年々上昇しており、ユーザーの年齢層の幅も広がりを見せています。
Tiktok広告の配信先
TikTokの運用型広告では、配信先(プレースメント)を自動、あるいは手動で設定可能です。自動プレースメント設定にすると、次の3つから成果のあがる配信を学習して最適化されます。
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特定のアプリへの配信を避けたい場合には、ブロックリストを活用してその配信先アプリを除外しましょう。
Tiktok広告の費用(課金方式)
TikTok広告の費用は、インプレッション課金、あるいは期間契約課金の大きく2種類の方式で決まります。TikTok広告のインプレッション課金で、よく利用されているのが起動画面広告です。アプリ起動時に表示される広告となり、広告効果が高いといえるでしょう。
起動画面広告の費用は、表示1回ごとに0.77円からです。1日1社しか出稿できないため入札となり、相場の目安は500~600万円となります。
Tiktok広告の効果検証に役立つ指標
TikTok広告で重要な分析指標となるのが、フォロワー数です。フォロワー数が多いアカウントは、TikTok側からユーザーにとって価値がある優良アカウントと判断されます。フォロワー数が多ければ、おすすめフィードにより多く表示される可能性が高まるでしょう。ほかにも次のような効果測定の指標があります。
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LinkedIn広告
BtoB商材・採用など、ビジネスシーンでの活用に向いたSNS広告がLinkedIn広告です。30〜40代の男性がメインのユーザー層となります。LinkedInでは、ビジネス上で付き合いのあるユーザー同士でフォローしあうことが多いでしょう。投稿内容も転職の報告やキャリアにまつわる情報など、ビジネス寄りの情報がメインです。
LinkedIn広告の配信先
LinkedIn広告の配信先は、大きく次の3つが挙げられます。
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LinkedIn広告の費用(課金方式)
LinkedIn広告の主な課金方式は、次のとおりです。
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LinkedIn広告の効果検証に役立つ指標
LinkedIn広告を活用して、リード獲得を目的としたキャンペーンを展開した場合に役立つ指標は次のとおりです。
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ほかにも「メッセージ広告フォーマット」や「動画広告フォーマット」を活用した場合の指標が用意されています。
SNS広告からヒットした成功事例

ここでは、SNS広告からヒットした3つの事例を次のとおりご紹介します。
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ではそれぞれについて、見ていきましょう。
1. 株式会社西鉄ストア様
LINE広告を、コストを大きく下げながらもアプローチできる手段として活用されています。今まではチラシでの訴求が多かったことから、年間で4〜5億円のコストがかかっていました。その後広告からチラシを配信したところ、年間で1〜2億円のコストになり、2億円以上のコストカットに成功しています。さらに、毎日7,500人前後のユーザーがチラシを閲覧しており、実際にリーチできていると実感があるそうです。
出典:LINE株式会社|コストを約3分の1まで削減!西鉄ストアが折り込みチラシから「LINEチラシ」へ転換した理由
2. 株式会社コナミデジタルエンタテインメント様
Twitterにて、2022年2月22日から3月1日まで野球界のレジェンド、イチローさんとユーザーが対決できるキャンペーンを実施しました。キャンペーンの内容は、指定のハッシュタグを投稿すれば応募でき、抽選でギフト券が当たるというものです。1時間で約8,500件の応募があるなど、かなりの注目を集めました。
出典:Twitter|パワプロ・プロスピ公式
3. 花王株式会社様
TikTok広告を活用して、TikTokで増えている主婦やママ層に、アタックZEROの魅力を届けています。ユーザーからの共感を得るために、広告色を抑えることを重視したとのことです。お子様を抱っこしながらでも、商品を手軽に片手で使えるシーンなどを入れ、結果として730万回の再生を達成しました。
出典:ByteDance|730万再生、140%の広告認知を獲得!花王アタックZEROのTikTok活用
SNS広告のリスク対策方法
ここでは、SNS広告のリスク対策方法3つを次のとおりご紹介します。
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ではそれぞれについて、見ていきましょう。
SNSの特徴を理解する
SNSの特徴を理解することで、炎上のリスクをかなり軽減できます。株式会社ガイアックス社の記事で紹介されているSNS炎上を防ぐ対策は、次の4点です。
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これらの注意点に留意しながら、SNSを活用するようにしましょう。
出典:株式会社ガイアックス|【保存版】SNS炎上を防ぐ4つの対策と、炎上発生時の3つの心構え
各プラットフォームの対策を理解した上で広告配信をする
各プラットフォームによって、ブランドセーフティへの対策方法が異なります。ブランドセーフティとは、広告主のブランドを毀損するリスクを持つメディアや広告枠への広告表示を防ぐことです。例えばTikTokでは、ブランドセーフティセンターを設け、ブランドセーフティを実現した配信に配慮しています。またFacebook、Instagramでは、ブランドセーフティ対策機能を設けています。Twitterでも対策していることが確認できました。出稿している、あるいは出稿を予定しているSNSのポリシーをご確認ください。
出典:TikTok for Business|TikTokブランドセーフティセンター
出典:Metaビジネスヘルプセンター|ブランドセーフティ・コントロール
出典:Twitter, Inc.|Twitter上でのブランドセーフティ
できる限りのアドベリフィケーション対策を行う
アドベリフィケーションとは、広告を検証する仕組みのことです。「ブランドリスク」「広告詐欺」を回避し、「広告の視認性」を検証します。各SNSにおいてもアドベリフィケーション対策を実施するのがおすすめです。最近ではアプリ広告と呼ばれる、スマートフォンなどのアプリケーション上に掲載するディスプレイ広告や動画広告があります。これはアプリをダウンロードしてもらうための訴求で良く使われる広告出稿手段です。ただしブランドセーフティの観点からはふさわしくないアプリや、違法音楽アプリなどに掲載される可能性があります。そこで配信をする際には、出稿する媒体から特定アプリへの配信除外設定をしておきましょう。弊社Momentumでは、アプリ調査・分析データを保有するApp Annie社のデータを活用して、良くないアプリを排除する仕組みを提供しています。ご興味のある方は、何なりとお申し付けくださいませ。
まとめ
本記事では、SNS広告の仕組みや、種類、メリットやデメリットについて解説しました。SNS広告は、今後も大きく成長する市場になると予想されます。効果的な「良い訴求」ができるよう、リスク対策をしながら、活用していきましょう。
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