難しい社会課題を、技術で解く
―― Why Engineering at Momentum
「信頼できるデジタル接点を、社会のあたりまえにしていく」
それが、私たちがMomentumで挑む理由です。
その"あたりまえ"を成立させるためにエンジニアリングがあります。
その「あたりまえ」は、エンジニアリングで成立している
デジタル接点の品質を担保する。
広告が適切な場所に届いているかを検証する。
不正なトラフィックを見分ける。
そこから得られるデータを、信頼できる状態にする。
言葉にすればシンプルですが、これらはどれも、人の手だけでは決して成立しません。
インターネット広告が扱うトラフィックは膨大で、しかもリアルタイムで動き続けています。一件ずつ人が目で確かめて「これは安全」「これは不正」と判断していく――そんなやり方は、規模の面でもスピードの面でも、まったく通用しないのです。
だからこそ、社会課題の裏側には、必ず技術課題があります。
見えないリスクを見える化し、判断可能なデータに変え、マーケティングの現場で使える形にする。その一連を成立させているのが、Momentumのエンジニアリングです。
私たちにとって技術は、事業の一部ではありません。事業そのものを支える、土台です。
人の目では、見切れない
私たちが扱っているのは、人の目ではとても見切れない規模の世界です。
インターネット広告のトラフィックは、とても人の手には追いつけない規模に及びます。しかもそれは、蓄積されたデータを後からゆっくり眺めるものではありません。広告が表示されるその一瞬のあいだに、「この配信先は安全か」「このアクセスは不正ではないか」を判断しなければなりません。
リアルタイムで、途切れることなく続いていく世界です。
この規模になると、一件一件を人が確認するという発想そのものが通用しません。だからこそ、大規模なデータ処理と、自動での判定が絶対に欠かせません。
膨大なログを集計・分析する基盤を築き、その上で不正や不適切な配信を機械的に検知する。
"見えない世界を、見えるようにする"。
それが、私たちのエンジニアリングの出発点です。
「何を安全とするか」に、正解はない
この仕事のいちばんの難しさは、「何を安全とするか」に絶対的な正解がない、というところにあります。
どのような広告配信を、安全とするのか。
どのようなトラフィックを、不正とみなすのか。
どのようなデータを、意思決定に使える状態とするのか。
これらは、あらかじめ決まった答えがあるわけではありません。私たちが、技術で定義していくものです。
ブランド毀損の判断ひとつとっても、あるページが、ある広告主にとっては避けたい場所でも、別の広告主にとっては問題ない、ということが起こります。「安全かどうか」は、立場によって揺れ動きます。
不適切なコンテンツの判定も、一筋縄ではいきません。ページの中身から、ときにはURLの文字列だけから、その性質を見分ける必要があります。表現は多言語にまたがり、言葉は生きているので、判定のモデルは放っておけばすぐに現実から遅れていきます。
アドフラウドには、また別の難しさがあります。人の目に触れないよう画面の外に仕込まれた広告。表向きは無害を装いながら、実体はある違法配信サイトだった、という巧妙な偽装。相手の手口は、こちらが対策すれば、また新しい形へと進化していきます。
そしていま、生成AIの時代を迎えて、もっともらしいコンテンツや偽サイトが、かつてない速さで量産されるようになりました。守る側にとっては、新しい脅威の連続です。
「品質」や「安全性」に、これで完成という終わりはありません。
だからこそ私たちは、仮説を立て、データで確かめ、改善する。そのサイクルを回し続けることでしか、この課題には向き合えないのです。
技術の改善が、そのまま品質になる
Momentumのエンジニアリングが面白いのは、技術の改善そのものが、そのままデジタル接点の品質につながっていることです。
判定の精度を上げれば、健全なサイトを誤って除外する"誤判定"が減り、お客様に渡すデータの信頼性が高まります。たとえば、あるページに不適切な語がたまたま一度出てくるだけで「危険」と切り捨ててしまえば、本来は問題のないページまで除外してしまう。語の有無ではなく、前後の文脈やページ全体の性質から見極める仕組みへと磨き込むことで、私たちはこうした判定の精度を高めてきました。
リスク検知を速くすれば、広告が表示される一瞬のうちに、より確かな判断を返せるようになります。
新しい不正パターンへ対応すれば、これまで見逃されていた被害を止められます。かつて、画面外や極小サイズに仕込まれた隠し広告を検知したときには、ごく短期間の分析だけでも、配信の少なくない部分が"人に見られていない広告"だったと分かりました。
これらは、単なる機能開発ではありません。
システムを一段良くすることが、広告費の無駄を減らし、データの歪みを正し、ブランドを守る。技術の改善が、そのまま事業価値になり、健全なデジタル接点につながっていく。
守るための品質ではなく、前に進むための品質を。
その言葉を、私たちはコードのレベルで体現しています。
なぜ、その技術を選ぶのか
こうした課題に向き合うために、私たちは技術にも明確な理由を持って選択をしています。
Go は、大規模かつリアルタイムなトラフィックを、低レイテンシで安定してさばくための中心的な言語です。並行処理を書きやすく、可読性や保守性を保ちやすい。複数のプロダクトで共通の選択肢とすることで、プロジェクト間を移動するときの学習コストも、全体の管理コストも下げています。
GCP は、膨大なログを集計・分析するための土台です。桁違いの量のデータを、現実的なコストとスピードで扱えることが、大規模な自動判定を支えています。
そして AI活用。私たちはAIを、単なる補助ツールとしてではなく、判定や開発のプロセスそのものに組み込もうとしています。コードレビューの一次チェックをAIに任せ、その上で人間が最終的な判断を下す。AIに任せられるところは任せ、人はより創造的な判断に集中する――その線引きを、自分たちで設計していきます。
技術は、目的ではありません。社会課題を解くための、最適な手段として選んでいます。
正解のない課題に、どう向き合うか
正解のない課題に、私たちはこう向き合います。
まず、仮説を立てる。「この手口は、こういうシグナルで捕まえられるのではないか」。
次に、膨大なデータを見て、その仮説を確かめる。
効果があれば、改善として組み込み、精度を上げる。
そして、また新しいリスクが現れれば、そこへ対応していく。
この「仮説 → データ → 改善 → 精度向上 → 新しいリスクへの対応」というサイクルを、回し続けています。
この環境の特徴は、技術と事業と社会課題の距離が、とても近いことです。
エンジニアは少数精鋭で、一人ひとりが要件策定から設計・開発・リリースまでを一貫して担います。だから、自分が下した技術判断が、そのまま事業の成果に――そして、デジタル社会の信頼という社会課題に、直接影響します。
「この検知ロジックをこう変える」という一つの判断が、そのまま打ち手になる。
しかも、私たちが向き合う領域は、広告配信の周辺だけにとどまりません。広告が表示される場所から、接触するトラフィック、遷移先のサイト、取得されるデータまで。デジタル接点全体へと、扱う技術課題は広がり続けています。
開発が、価値創出そのものとつながっている。指示されたものをつくるのではなく、課題そのものに向き合い、解き方から自分で考える。そういう働き方が、ここにはあります。
Why Engineering
Momentumは、「難しい技術をやる会社」ではありません。
私たちは、「難しい社会課題を、技術で解く会社」です。
大規模なデータ、リアルタイムの判定、終わりのない不正との闘い――たしかに技術的な難易度は高い。けれど、技術は目的ではなく、あくまで社会課題を解くための手段です。
だから私たちが一緒に働きたいのは、技術そのものに面白さを感じると同時に、その先にある課題を自分ごととして捉え、解決の手段を自分で選び取って動ける方です。
広告ドメインに知見・課題感のある方は大歓迎ですが、ドメインの知識は、後からでも付いてきます。
見えないところで静かに失われていく信頼を、技術で取り戻す。
デジタル接点の品質を、社会のあたりまえにする。
それを実際に成立させることこそが、私たちがMomentumでエンジニアリングに挑む理由です。
守るための技術ではなく、前に進むための技術を。
広告のためだけではなく、デジタル社会全体の健全な接点を。
その挑戦に少しでも心が動いた方は、ぜひ一度、話を聞きに来てください。